日野市立病院ホームページトップ > 病院のご案内 > 経営状況等
内容につきましては、以下のPDFファイルをご覧下さい。
年度 | 決算書類 |
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平成23年度 | 市立病院事業会計決算書(986KB) |
平成24年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(358KB) |
平成24年度 | 市立病院事業会計決算書(90KB) |
平成25年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(382KB) |
平成25年度 | 市立病院事業会計決算書(92KB) |
平成26年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(486KB) |
平成26年度 | 市立病院事業会計決算書(770KB) |
平成27年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(513KB) |
平成27年度 | 市立病院事業会計決算書(304KB) |
平成28年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(982KB) |
平成28年度 | 市立病院事業会計決算書(305KB) |
平成29年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(1,205KB) |
平成29年度 | 市立病院事業会計決算書(307KB) |
平成30年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(517KB) |
平成30年度 | 市立病院事業会計決算書(664KB) |
平成31年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(523KB) |
令和1年度 | 市立病院事業会計決算書(841KB) |
令和2年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(526KB) |
令和2年度 | 市立病院事業会計決算書(489KB) |
令和3年度 | 市立病院事業会計予算書及び説明書(669KB) |
水と緑のまち日野市の北西部、豊田駅から真北に徒歩15分、多摩平の緑の中に日野市立病院はあります。日野の台地に建つ免震構造の災害拠点病院として、まさかの時には市民の皆様のお役に立てるよう準備しておりますが、日頃は300床21診療科を有する急性期病院として日野市と近隣の八王子市の患者さんを中心に医療を提供しております。病院職員の合い言葉、いわゆる理念として「市民に信頼され、選ばれる病院」を掲げて、市民ニーズに沿ったお断りのない医療を心掛けております。
公立病院は全国的な経営危機が取りざたされて10年以上になります。病床規模の問題、不採算医療の問題、医師などの人材確保の困難さと人件費の高騰、診療報酬のマイナス改定、病院には損税と言われる消費税増税、高額医療機器の負担などの諸問題が指摘され、総務省主導で経営立て直しのための公立病院改革プランの策定が行われて参りました。この度、当院にとっては第三次の改革プランである日野市立病院改革プランが完成しましたので、その報告を兼ねて病院の現況、今後の方針をお知らせしたいと思います。
まず、東京都の地域医療構想をご存じでしょうか。2025年の医療需要予測を基に病院機能の整備を都内の病院に促しております。日野市が属する南多摩医療圏ではこれから10〜20年は特に高齢患者を中心に医療需要が著明に増加します。日野市立病院改革プランは、これに対する答えとして新たに作成された当院の基本運営方針です。日野市内には急性期病院や夜間運営診療所が少ないため、当院は日野市の中核病院として一次救急を含めた24時間365日の二次救急医療を提供する必要があります。当院の役割は、この急性期医療を中心とした五疾病五事業に関して、急性期病院として近隣地域の診療所、回復期病院、慢性期病院、医療介護施設そして超急性期病院と連携して地域包括ケア体制の一翼を担っていくことであると認識しております。そのための人材の確保と職場環境整備、経営の効率化、経営形態の見直し、一般会計負担の考え方、住民のご理解、病院機能向上計画についてのプランを広く記載したものとなりました。
経営改革への道程には大きく三段階あり、優先すべき第一に人材確保、第二に病床利用率改善、第三に診療報酬単価向上と考えております。最初の改革プランの努力を続けて、当院の医師は5年ほど前から各診療科に何とか確保できるようになりました。慶應義塾大学医学部から8割、残りを杏林大学医学部と東京医科大学から派遣頂いており、主要な疾患の初期診療を全て行える医療環境が整備できました。大学関連病院の中では規模が小さいため、医師を引きつける魅力ある仕事環境、教育環境、医療機器を他施設に負けないように常に整備して初めて人材が定着できると考えております。看護師は急性期病院としての高機能のブランドである7対1看護基準を安定して満たせるだけの人員を数年前から揃えられるようになりました。これは、看護教育体制や就業環境を整備し、全国の看護学校に人員確保の行脚をしたお陰です。病院職員の9割が国家資格を持つ専門職ですから、その職員をつなぎ止められる病院になってきたと実感できるようになりました。
第二段階の病床利用率は、充実してきた病院職員の一丸となった改善活動の効果により毎年右肩上がりとなり、安定して80%以上を達成できるようになり、平成20年度から比較して20%の改善になりました。これは近隣の自治体病院の中で1,2を争う高い率です。救急車搬入件数は毎年15%増加し、昨年度は約4,000台を受け入れ出来、救急車応需率は80%と都内平均より10%高くなりました。その他の臨床指標も年々改善することができており、次の第三段階目の診療報酬単価向上に取り組める段階となりました。プロジェクトチームを立ち上げて、トヨタのようなKAIZEN活動をPDCAサイクルで回して実現に向かっております。手術部門の効率化や病診連携の活性化はその大きな改善点となる予定です。市民ニーズを満たせる良質で安全な医療を提供することを第一としますが、結果として診療報酬単価向上に繋げたいと計画しております。現在、市からの繰入金は総務省の繰り入れ指標に則って約10〜11億円頂いておりますが、少しでも減らせることができるように、新しい改革プランを基に引き続き経営改善に取り組んで参ります。
改革プランを活用して病院がうまく機能するためには、病院内の活動だけでは無く地域の中での連携が欠かせません。患者さんに選ばれて使って頂くこと、診療所や他の病院からの患者紹介が豊富なこと、救急隊から選ばれる病院になること、そして逆紹介と言って、病状が安定した患者さんを地域の医療施設へ戻すことが大切です。日野市が計画する豊田駅北部地域における地域包括ケアシステム構想のなかでこれがより一層充実できると考えます。市立病院が果たす役割は、特に急を要する病状に対する対処、短期間の病院避難であるレスパイト入院、在宅・介護患者への援助、不足している周産期や小児医療への対応などであると想定しております。市立病院に隣接したA街区に、市の医療介護福祉構想に沿って設立される医療介護施設ともしっかりと連携できる仕組みを作って参りたいと思います。
日野市立病院改革プランの具体的内容を掲載しましたので、どうぞ市民の皆様にご一読頂ければ幸いです。
平成30年10月 病院長 井上宗信
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