診療部門のご案内

耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科の紹介・対象疾患

耳鼻咽喉科は、人間の重要な感覚である五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうち、聴覚、味覚、嗅覚の三つを対象とする、生活の質(Quality of Life:QOL)に直結する感覚器に特化した診療科・機能外科です。
耳科・聴覚、鼻科、アレルギー、喉頭・音声、頭頸部腫瘍など疾患領域も多岐に渡ります。
日野市立病院近隣の経験豊富な開業医の先生方と連携を密にし、日野市の耳鼻咽喉科医療の拠点として診療に当たりたいと考えています。具体的には、精密検査、手術(一般耳鼻科、耳科・聴覚、鼻科領域)、入院を要する疾患の対応を積極的に行います。

主な検査:
聴覚・平衡機能検査(各種)、補聴器適合検査、内視鏡検査、超音波検査、CT、MRI

対応可能な主な手術:
小児鼓膜チューブ挿入術(日帰り/午前に全身麻酔下に手術施行。日中は病棟にて麻酔後管理を行い、夕方退院)
アデノイド切除・口蓋扁桃摘出術(7泊8日)
鼓膜形成術(局所麻酔1泊2日)
鼓室形成術(7泊8日)
鼻内副鼻腔炎手術・鼻中隔矯正術(7泊8日)
アレルギー性鼻炎などに対する下鼻甲介粘膜焼灼術(外来手術)
甲状腺・耳下腺・顎下線手術(7泊8日)

精査の結果、頭頸部癌の診断で集学的治療(放射線治療、抗がん剤、再建手術など)を要する症例は、速やかに近隣の大学病院、多摩総合医療センターなどに紹介致します。その他、当院当科において対応困難と考えられる、高い専門性を要する喉頭・音声疾患などは大学病院の喉頭専門外来に紹介致します。

感覚器に特化した診療科・機能外科として、QOLの向上に寄与出来るようスタッフ一同心がけています。

対象疾患

耳科・聴覚(突発性難聴 老人性難聴 耳鳴 急性中耳炎 慢性中耳炎 滲出性中耳炎 真珠腫性中耳炎)
めまい メニエール病
末梢性顔面神経麻痺
鼻(アレルギー性鼻炎 慢性副鼻腔炎 鼻中隔弯曲症)
咽頭(急性扁桃炎 習慣性扁桃炎 扁桃周囲膿瘍 アデノイド肥大)
喉頭(声帯ポリープ 声帯結節)
頸部疾患(耳下腺腫瘍 顎下腺腫瘍 唾石症 甲状腺腫瘍)

診療詳細

当院で行っている代表的な治療についてご案内いたします。

耳疾患
中耳疾患(慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、滲出性中耳炎など)

慢性中耳炎で鼓膜穿孔による難聴や耳漏が生じている症例は難聴の改善や耳漏の停止を目的として、真珠性中耳炎の症例は感染制御(病変除去)目的に、7泊8日で全身麻酔下に鼓室形成術を行っています。単純穿孔性中耳炎の場合は1泊2日で局所麻酔下に鼓膜形成術を行っています。
小児の滲出性中耳炎に対しては日帰りで全身麻酔下に鼓膜チューブ挿入術を行っています。
(事前の全身検査、日帰り入院予約が必要です。)

内耳疾患(突発性難聴、感音難聴、外リンパ瘻、耳鳴など)

内耳の障害が原因で起こる突発性難聴は、早期治療によって聴力改善が期待出来るため、入院でステロイド治療を積極的に行っております(7泊8日)。 内耳障害を中心として耳の聞こえが悪く、日常会話が不自由な方に対しては、精密検査をした上で患者さんごとに適した補聴器の装用をお勧めしています。当院では補聴器指導および装用後の定期的なケアを行っています。
補聴器適合検査も適宜(予約要)行なっています。

めまい

めまいの際には三半規管の働きが低下し目がゆれる「眼振」という現象が起こりますが、当院では赤外線CCDカメラを用いた眼振検査で正確な病巣診断を行い適切な治療を行っています。また救急のめまい患者さんも積極的に受け入れており、症状の強い場合には入院加療を行っています。頭の位置を変えた際、発作的に短時間の回転性めまいを起こす「良性発作性頭位めまい症」に対しては、体位を変換する理学療法を積極的に取り入れて高い治療効果を上げています。

末梢性顔面神経麻痺

片側の顔の動きが悪くなる末梢性顔面神経麻痺の治療も当科で行っています。発症初期には入院のうえステロイド剤や抗ウイルス薬による点滴治療を行っています(10日程度の入院加療をお勧めしています)。予後・経過予測及び、追加治療(顔面神経減荷術)の適応を判断するため、筋電図による評価も取り入れています。

鼻疾患

慢性副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎などで鼻汁・鼻閉による高度の症状があり、内服治療でコントロールが困難な場合、全身麻酔下に内視鏡を用いた鼻内副鼻腔手術を行っております(7泊8日)。
当院では高画質の手術内視鏡システムを導入しており、従来の歯肉を切開する方法より侵襲の少ない方法で対応しています。
またアレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎による鼻閉には外来手術にて下鼻甲介粘膜焼灼術を行っています。

咽頭(のど)疾患

高熱を繰り返す習慣性扁桃炎に対しては、7泊8日で全身麻酔下に口蓋扁桃摘出術を行っています。
また、小児のいびきや睡眠時無呼吸の原因となるアデノイド肥大・扁桃肥大に対しても同様に7泊8日で全身麻酔下にアデノイド切除・口蓋扁桃摘出術を行っています。

喉頭(声帯)疾患

声帯ポリープ、声帯結節などで声がかすれている方には、希望により短期入院で全身麻酔下に顕微鏡下喉頭微細手術(音声改善手術)を行っております。

頸部(くび)疾患

唾石症、耳下腺腫瘍といった唾液腺の疾患に対しては7泊8日で全身麻酔下に手術治療を行っています。
甲状腺腫瘍に対しては当院外科でも耳鼻咽喉科でも手術可能です。必要な場合には両診療科で連携して治療を行います。
その他、耳鼻咽喉科領域の幅広い治療に対応しております。お気軽に外来担当医にご相談ください。

専門外来(完全予約制)

月曜午後 難聴耳鳴外来、火曜午後(第2・4週)術前術後外来、水曜午後
手術適応・再診外来を行っております。

臨床研究