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泌尿器科で診療する臓器は、尿路系全般(腎臓、尿管、膀胱、尿道)、および副腎、男性生殖器(前立腺、精巣、精巣上体、陰茎など)です。
日野市立病院泌尿器科は、長年、慶應義塾大学泌尿器科学教室の関連病院です。また、日本泌尿器科学会より、拠点教育施設(2021/4/1〜2026/3/31)として、第7回目の認定更新を受けています。
2024年7月以降の泌尿器科の診療体制は、2名の常勤医師と、2名の非常勤医師が外来を担当しています。
泌尿器科が対応する領域、疾患は、高齢者が罹患する率が高く、現在、日野市周辺には人口の高齢化に伴い高齢者の方が多数居住しています。そのため、当院泌尿器科のニーズ、需要が、今後高まるのではないかと考えています。
日本では現在、男性は65.5% 、女性は51.2% と2人に1人が生涯に癌に罹患しており、日本人の死因の第1位は癌です。全国がん登録データベースに基づく「がんの統計」では、男性の癌の中では2017年以降は前立腺癌が最も罹患数の多い癌であり、前立腺癌への生涯罹患リスクは9人に1人と報告されています。
前立腺癌の診断には採血で前立腺特異抗原(PSA)値を測定するスクリーニングが有用です。患者さんがご自身のPSA値を知るのは、もし他の項目を採血していれば、新たに追加で採血せずにPSA値を追加項目で測定する事ができ(単独の採血も可能)、安価で、当院では1時間以内にPSA値を短時間に知る事が可能であり、患者さんへの負担はほとんどありません。
インパクトファクターが25.3 で世界の泌尿器科領域ではトップの英文雑誌(Eur Urol. 2024 Jul;86(1):20-26.)では、年齢を5歳ごとに階層化して、PSA値を<0.5、0.5~0.9、1.0~1.4 、1.5~1.9、2.0~2.9、3.0~3.9 に6郡に分類して、前立腺癌や前立腺癌死の可能性を報告しています。当院泌尿器科外来では、受診された50歳以上の男性患者さんに対しては、最低1回はPSA値を測定する事をお勧めしております。
当科では、PSA値、直腸診の所見、前立腺のMRIの画像診断等をもとに前立腺針生検の適応を判断しています。当院では1泊2日入院で、入院当日に静脈麻酔下で前立腺針生検を施行しております。日野市立病院泌尿器科では2022年は72人、2023年は43人、2024年は56人が前立腺癌と診断されました。
膀胱癌に対して経尿道的膀胱腫瘍切除術を、2022年は61件、2023年は73件、2024年は44件施行しました。
癌と診断された患者さんに対しては、まずは癌の病期診断をして、転移の有無や、局所限局癌の場合には、ガイドライン(診療指針)に基づいて低・中・高リスク群のどのリスク分類群になるかを判断、診断をします。次に、現行のガイドに準拠する治療方針を説明します。ひとりひとりの患者さんやご家族に満足していただけるように、泌尿器科医は日々、研鑽いたします。また、泌尿器科では、現在の泌尿器科の医療常識、見解に遵守した理にかなった医療サービスを提供できるよう、ワンチームになり努力を続けています。
2025年1月6日 日野市立病院 泌尿器科 部長 堀永 実
泌尿器科を受診される症状としては、排尿困難、頻尿、尿漏れなどの排尿障害や、血尿などがあります。 また、無症状でも、健診や人間ドックで尿潜血陽性、血清PSA高値、水腎症を指摘され泌尿器科を受診されております
検査方法は、採血、検尿、超音波検査、膀胱鏡検査、CT、MRI、尿細胞診などです。
泌尿器科で扱う疾患としては、悪性腫瘍(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌など)、尿路結石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石)、尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎、精巣上体炎、前立腺炎など)、男性の性感染症、副腎腫瘍、前立腺肥大症、尿失禁、過活動膀胱、神経因性膀胱などで、良性・悪性を問わず診療を行っております。
日野市立病院泌尿器科では、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が主催する日本全国の外科症例のデータベース作成事業に参加し、症例登録を行っています。
我が国において患者さんに良質な医療を提供するためには、どのような場所でどのような医療が行われているかを把握する必要があるとの考えに基づき、2010年に日本外科学会を基盤とする外科系諸学会が協力して「一般社団法人National Clinical Database」が設立されました。
現在、我が国のほとんどの施設の外科系診療科がこの事業に参加しており、当科も参加しています。この事業に参加している診療科は、施行したすべての手術のデータをNCDに登録します。現在、我が国で行われている外科手術の95%以上が登録されている状況です。このビッグデータを分析することにより、全国の平均的な手術成績が正確に分かり、この情報が各施設へフィードバックされることによって、個々の施設診療科での医療の改善に役立っています。
NCD登録においては、患者さんのお名前を登録することはありません。
したがって、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないようになっていますが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理されています。
このNCD登録は患者さんの協力に基づくものですので、ご自分のデータを登録されたくない場合は登録を拒否して頂くことができます。担当医へお伝え下さい。登録を拒否することで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。
以下に、NCDから患者さんへの広報を掲げます。
http://www.ncd.or.jp/community/information.html
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